2026年2月7日土曜日

静かに血を抜かれていく社会。成長も国債増発もしていないのに固定される「円安基調」の正体

 

円安・国富流出・分配崩壊

――貨幣・為替から見た「日本の富の総量」仮説

1. 問題設定

現在の日本は、

  • 経済成長していない

  • 近年は国債も大きく増やしていない

  • にもかかわらず、円安基調が定着している

この現象は、
金融緩和・金利差・投機だけでは説明しきれない


2. 基本構造:円安を生むフロー

(1) 国外への恒常的フロー

  • 外資・海外企業は
    日本国内で得た

    • 配当

    • 家賃

    • 事業利益

      ドル転・元転等する

  • これは機械的に
    円売り=円安圧

(2) 対抗フローの偏在

  • 円安は輸出企業に有利

  • 外貨建て売上の円換算利益が増加

  • しかしその利益は

    • 家計

    • 内需

    • 社会全体
      に広く分配されない


3. 分配構造の決定的歪み

輸出戻し税(消費税還付)

  • 消費税は
    国内の庶民・内需部門から広く徴収

  • 輸出企業には
    輸出戻し税として集中還流

結果:

  • 円安による

    • 輸入物価上昇

    • 実質賃金低下
      は家計が直撃

  • 為替メリットは
    輸出企業にのみ滞留

👉 社会的バッファーが機能していない


4. 仮説:円安は「国富流出」のマーカーではないか

ここでの仮説は、こう。

経済成長せず
財政拡張もなく
にもかかわらず円安が定着する現象は、

日本国内で生み出された富が、
ストック・フローの両面で国外に流出し、
国内に再循環していないことの
“結果指標(マーカー)”の一つではないか

重要なのは:

  • 為替=富そのもの
    ではない

  • しかし為替は
    富の帰属・循環・期待の歪みを集約した症状


5. 「観測不能」問題への回答

確かに、

  • GDP

  • 各種経済指標

はすべて貨幣ベースであり、
「富の総量」を直接測ることはできない。

だが、以下は観測可能。

(1) ストックの帰属

  • 企業・不動産・インフラの
    外国人保有比率

  • 将来キャッシュフローの帰属先の変化

(2) フローの恒常性

  • 所得収支(配当・利子・賃料)

  • ロイヤリティ・デジタル収支

  • 景気に関係なく続く構造的流出

(3) 分配の吸収先

  • 為替変動を

    • 家計が吸収しているか

    • 特定セクターが独占しているか

(4) 行動の変化

  • 国内投資の回避

  • 内需の萎縮

  • 外資が新規投資ではなく既存資産取得を選ぶ行動

👉 これらが同方向に揃うこと自体が、
「富の循環が壊れている」強いシグナル。


6. 結論(主張ではなく整理)

  • 円安は単一要因ではない

  • しかし現在の円安は
    国富の帰属・循環・分配の劣化を反映した構造現象
    として読む必要がある

  • 特に
    庶民から抜け、輸出企業にのみ滞留する分配構造
    は、社会の耐久力を著しく削っている


ー今回の整理はあくまでも「円安」という現象を構成する構造の可視化であるため、解消のための単一解はない。社会の全体構造を修正していく必要がある。
経済成長が本質で、この構造は「力率を削ぐ」制度の複合問題である。

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